週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
ライフ #広がる新しい暮らし方 "廃居"という磁力

築66年「スラム化した廃墟」の驚くべき大変身 「九州リノベ」の金字塔、冷泉荘が放つ存在感

11分で読める

INDEX

福岡市にある築66年の「冷泉荘」。一時期はスラム化した物件は、いかにして文化財になったのか(写真:テトラグラフ写真室)
日本は「新築信仰が強い」と言われる一方で、街を見渡せば存在感や色気のある年嵩を重ねた建物がそこかしこにある。新しいかっこいい建物もいいけれど、今ある古い建物を長く使うのはもっとかっこいい。本連載では、さまざまな工夫で新たな住まいや仕事場となったり、文化的拠点に生まれ変わっている“廃居”を紹介していく。
今回は福岡市にある築66年の「冷泉荘」。一時期はスラム化した物件は、いかにして文化財になったのか。

1958年の建設当初は高額物件だった

今でこそリノベーションは当たり前の選択だ。だが、25年前、福岡で築41年のまったく手入れされていない建物の経営を引き継いだ吉原勝己さんは途方に暮れた。

漏水を入居者が放置、室内に苔が生えている部屋があるなど建物が荒れているだけでなく、入居者、建物に出入りする人達にも問題があったのだ。どうしたら再生できるか。苦闘が始まった。

今から四半世紀前、化学系のメーカーに勤務していた吉原さんが継いだのは博多で最初に栄えた川端通商店街の1本裏手にある冷泉荘をはじめとする数件の不動産。

もともとは農業をしていた父が戦後観光旅館を始め、その収益を使って不動産経営に転身したそうで、知らない身からすると不動産の相続はうらやましい気がするが、それが廃墟状態だったらどうだろう。

【写真で見る】築66年、福岡市の「冷泉荘」。建てられた当時は高級住宅だったが、その後、スラム化し、ホームレスやマフィアの拠点になっていた過去も

次ページが続きます

2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象