90歳建築家語る「早稲田のガウディ」完成の舞台裏 完成見て家主腰抜かす、ラブホと言われた事も

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ドラード和世陀 梵寿綱
夜のドラード和世陀。夜道に大きな存在感がある(写真:編集部撮影)
思わず足を止めて眺めてしまうような、街中にある少し変わった形をした物件ーー。
いったいなぜ、そのような形になったのか。そこには、どんなドラマがあり、どのような生活が営まれているのか。
連載「『フシギな物件』のぞいて見てもいいですか?」では、有識者や不動産関係者に話を聞き、“不思議な物件 ”をめぐるさまざまな事情に迫る。
【前編を読む】異彩放つ「早稲田のガウディ」内部の"特濃"な空間

完成当時はラブホテルと言われたことも

東京メトロ東西線の早稲田駅を降りて3分ほど歩くと、圧倒的な存在感を放つ建物が見えてくる。早稲田大学の大隈講堂から200mほどの距離にある交差点。その角に円柱のデコラティブな塔がそびえ立っている。遠くから眺めるとデコレーションケーキのようだ。

この建物は「ドラード和世陀(わせだ)」という名の集合住宅である。設計は「日本のガウディ」と呼ばれる建築家の梵寿綱(ぼんじゅこう)さんによるものだ(前編はこちら)。1983年の完成時の反響について、生前のオーナーと面識があり、ドラード和世陀の1階に「ドラードギャラリー」と「ドラードサロン」を構える小原聖史さんに話を聞いた。

「オーナーが健在のころに竣工当時の話を聞いたことがあります。まさかここまでゴテゴテになるとは思っていなかったようで、除幕して本当に腰を抜かしたそうです。最初はびっくりしたようですが、『だんだん慣れてきた』なんて言っていましたよ」(小原さん)

そんななかで梵さんにとっては作って終わりではなかった。この分譲住宅を売らなければならない使命があったからだ。そこで雑誌『ぴあ』に無料の3行広告を出すことに決めた。

【27枚の写真を見る】思わず見入る早稲田のガウディの装飾の数々。中に入ると驚きの光景が広がる。取材を受ける90歳の梵さんの写真も
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