90歳建築家語る「早稲田のガウディ」完成の舞台裏 完成見て家主腰抜かす、ラブホと言われた事も

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今回梵さんにお話を聞いた「ドラードサロン」にも曲線の壁があり、空間の美しさとやわらかさを実感した。ここはアンティークショップだった場所で、現在はイベントや絵画教室、撮影場所などに使われている。

ドラード和世陀 梵寿綱
ドラードサロンの内部は弧を描くのびやかな空間。壁紙は小原さんが貼り、飾られた絵画は小原さんの作品(写真:編集部撮影)

ドラード和世陀で画廊を開いた理由

小原聖史さんがドラード和世陀に「ドラードサロン」と「ドラードギャラリー」を構えたのは16年前のこと。もともと別の場所でアンティークショップを営んでいたが、ギャラリーも開きたいという思いがあった。

ドラード和世陀 梵寿綱
ドラードギャラリーの内部。丸窓がありのぞき込む人も多い(写真:小原聖史さん提供)

「20代前半のころに週刊誌の特集で梵さんの建物を見て、すごい建築家だなと圧倒された」と小原さんは振り返る。以来、梵建築のファンであり、この移転も梵さんの建物に魅せられたことが背景にある。

「当初は、飯田橋の一般ビルの物件を契約する予定でした。たまたま夜に、建築ファンとして『梵寿綱』と検索したところ、早稲田にある梵寿綱デザインのビルの2店舗の募集を見つけたんです。急遽、飯田橋の物件をキャンセルし、すぐさまこちらに連絡して入居。アンティークショップと同時にギャラリーもスタートしました」(小原さん)

とはいえここは学生街。絵やアンティークの品を買う人はそう多くはいない。画廊を構えるには難しい場所だと想像する。

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