今回梵さんにお話を聞いた「ドラードサロン」にも曲線の壁があり、空間の美しさとやわらかさを実感した。ここはアンティークショップだった場所で、現在はイベントや絵画教室、撮影場所などに使われている。
ドラード和世陀で画廊を開いた理由
小原聖史さんがドラード和世陀に「ドラードサロン」と「ドラードギャラリー」を構えたのは16年前のこと。もともと別の場所でアンティークショップを営んでいたが、ギャラリーも開きたいという思いがあった。
「20代前半のころに週刊誌の特集で梵さんの建物を見て、すごい建築家だなと圧倒された」と小原さんは振り返る。以来、梵建築のファンであり、この移転も梵さんの建物に魅せられたことが背景にある。
「当初は、飯田橋の一般ビルの物件を契約する予定でした。たまたま夜に、建築ファンとして『梵寿綱』と検索したところ、早稲田にある梵寿綱デザインのビルの2店舗の募集を見つけたんです。急遽、飯田橋の物件をキャンセルし、すぐさまこちらに連絡して入居。アンティークショップと同時にギャラリーもスタートしました」(小原さん)
とはいえここは学生街。絵やアンティークの品を買う人はそう多くはいない。画廊を構えるには難しい場所だと想像する。
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