「トランプ劇場Season2」エピソード1の見どころ ひとつ間違えば仲間割れで「ハネムーン終了」も

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一方、不評な政策もある。

〇不評な政策
*出生地主義の廃止:「アメリカで生まれた者は自動的に市民権を得る」のは、合衆国憲法で認められた権利だが、トランプ氏は不法滞在の両親から生まれた子供はこれを認めないとしている。たぶん裁判所に差し止められるだろう。
*1500人恩赦:「1月6日」事件で、連邦議事堂に乱入した容疑者たちへの一律恩赦ははっきり不評。最近の世論調査では57%が反対し、別の調査でも62%が反対している。
*連邦政府職員に対する終身雇用の停止:別名を「スケジュールF」ともいい、トランプ氏が「ディープ・ステーツ」を排除することを目的としたもの。28%が賛成するいっぽうで、49%が反対している。
*パリ協定からの離脱:この決定には52%が反対し、賛成は21%にとどまり、中立もしくはわからないが26%である。2017年にトランプ第1期政権が離脱したときも、反対が62%を占めていた。
*TikTokの救済:法律により決まっていたTikTokの禁止を、大統領令で75日間延期したもの。禁止に賛成は44%で反対は22%、わからないが34%。ただし若い世代は禁止に反対が多い。
*メキシコ湾をアメリカ湾に改名:実に72%が反対し、賛成はわずか28%だった。

移民関係の大統領令はおおむね支持されているが、反発を受けている項目もかなり多い。この後、数々のバトルが発生することは想像にかたくない。もっとも、「治にありて乱を求むる」のがトランプ流治世術であって、その辺は”Season 1”と似たようなことになりそうだ。

「利益相反かも」なのに?不思議なマスク氏との関係

さて、マーケットの視点からは、トランプ政権とハイテク業界の巨人たち、いわゆる「テック・ジャイアンツ」の関係が気になるところだ。

特に大統領の”First Buddy”(一番手の相棒)を自称するイーロン・マスク氏は、新設の「政府効率化省」を任せられ、文字通り政権に参画することとなった。

大統領就任演説の際はすぐ近くの席にいて、トランプさんが「アメリカ人宇宙飛行士を送り出し、火星に星条旗を立てる」と述べたところで、満面の笑みを浮かべていたものだ。

火星への有人飛行はマスク氏の長年の夢であり、スペースX社の創業者でもある。やがてNASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査ロケットを、スペースX社が受注する日が来るかもしれない。これで「利益相反」と言われないのが、この政権の何とも不思議なところである。

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