サーチGPTを用いれば、検索エンジンより遥かに効率的に、必要な情報を得られる。ただし、聞き方を工夫する必要がある。また、問答を通じて、「本当に知りたいことは何か?」を見いだすことができる。昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第139回。
サーチGPTを使いこなせるか?
前回、「サーチGPT」という新しい手段が利用可能になっていると述べた。これを使いこなせるか否かは、さまざまな知的活動において、 大きな差異をもたらす。
企業の実務等でChatGPTを使う場合には、反復・繰り返し的な業務が多いだろうが、ここではそうした使い方ではなく、論文や報告書の作成といった仕事での使い方を考える。これは、データの調査を伴う場合が多い仕事だ。
企業の業務であっても、調査・企画関係の仕事であれば、このようなタイプの情報収集が必要となるだろう。
以上の場合に用い得る1つの方法は、知りたい部分を**で表記し、「ここに正しいデータを入れてほしい」とサーチGPTに要請することだ。
具体的な例を挙げよう。2008年のリーマンショック時に、ダウ平均株価と日経株価のどちらの下落率が大きかったかを知りたいとする。
株価のデータは、最近のものであれば、Google検索によって簡単に手に入る。しかし、ここで問題としているのは20年近く前の株価であり、それを探し出すのは、それほど簡単ではない。
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