NYタイムズ選定「行くべき場所」山口市の魅力とは 「レコードB面」「控えめな天才性」と評価のワケ

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千葉県出身の早紀さんも「夫は学生時代から山口に帰りたいと言っていたし、私もUターンを自然に受け入れていました」

「聞いていたとおり、日本海と瀬戸内海に挟まれているので魚の種類が豊富で美味しい。野菜も果物も地元でいろいろ生産されているので、旬の味覚がわかるようになりました」

栽培した作物を使って提供する食事は大好評。つくりたい料理のレシピを持ち込む海外ゲストもいて、一緒に料理することも楽しみのひとつだ。

BBQ
民泊に来たオーストラリアからの観光客とBBQをする様子。宿泊者は子どもたちとも触れ合い、山根さんたちの生活を疑似体験し楽しんでいる(写真提供/山根早紀)

とはいえ、静かな地域で宿泊施設を始めることに、近隣から反対はなかったのだろうか?

「むしろご近所さんにはたくさん応援してもらっています。道向こうの農家さんが『外国人さんが来た!』と興奮していたので、声を掛けて一緒に食事してもらいました。英語をほとんど話せないのに身ぶり手ぶりと日本語で、すぐ打ち解けていましたよ。見知らぬ日本人にも山口市の人は親切で。自分もいきなり銭湯で話しかけられたり、野菜を山ほど分けてもらったり、東京ではなかった経験がいっぱい。都会は人が多すぎるので逆に声をかけにくいですもんね」(早紀さん)

「歴史的には室町時代から中国や朝鮮半島との貿易で栄えた豊かな場所。ゆとりがあるしいろいろな文化を受け入れることができるから、来る人にも優しいんじゃないかな。持論ですけど。

家の周りは自然にあふれてて、食べ物も最高に美味しい、いい人ばっかり、仕事も楽しい。ノーストレスで暮らしてます。あえていえば少し家から離れた保育園の送り迎えがたまに面倒くさいくらい」と賢三郎さんは満面の笑顔だ。

粉川さん・ロベルトさん夫妻「イタリア食堂 ベケ!?」

続いて丸本さんが、「ご自身が移住者という立場で、山口市の土地や人々に受け入れてもらうという経験をされている。さらに山口市の魅力を料理や地域おこし協力隊を通して、外部に発信することに挑戦している」と案内してくれた、龍福寺(大内氏館跡)北面に隣接する「イタリア食堂 ベケ!?」を営む粉川妙(こかわ たえ)さんも、山口市の食材の豊富さに太鼓判を押す。

「りんごは西日本最大級の産地で、レモンも市内で生産されているんですよ。野菜も魚も肉も市内産があって安く手に入る。加工のしがいがあります」

粉川妙さん
市内の中心部、大殿地区でイタリア人の夫とともにレストランを経営する粉川妙さん(写真撮影/内田伸一郎)
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