語学学習は「勉強というよりスポーツ」の納得理由 反復練習を通してしか身につかない感覚がある

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私の専門は認知言語学という言語学です。東京大学教授の西村義樹先生のもとでこの学問を研究し、その知見に基づいて英文法の仕組みを研究してきました。2019年に初出版した『英文法の鬼100則』(明日香出版社)という本がありがたいことに10万部を超えるヒットとなり、それから本も書くようになりました。

(出所:『英語秒速アウトプットトレーニング: 話すための英文法が身につく』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

さて、そんな私が何カ国語も勉強する理由は、2つあります。

ひとつは、英語という言語を超えて、そもそも外国語はどうやったら話せるようになるのかということを探りたいからです。いろんな言語に取り組むことで、語学学習の究極のエッセンスを煮詰めて取り出したい。

そしてもうひとつはその言語を話す人たちが、どんなふうに世界を見ているのかを知りたいということです。

言語の違いは「世界の見え方」に影響を与えている

実は言語の違いは、少なからずそれを話す人たちの「ものの見方・世界の見え方」に影響を与えています。認知言語学は究極的には言語を通して「人間がどんなふうに世界を見ているか」を知ろうとする学問です。この認知言語学は、文法を使いこなして話すために非常に役立ちます。

詳しくは後ほどまた説明しますが、日本人の大人が英語を話せるようになるには、文法の理解をしておくのが合理的です。

ただ、その文法も単に丸暗記するだけではなかなか使えるようにならないことは、皆さんもご存じのはず。

文法を単なるルールではなく、「その言語を話すコミュニティの人間たちがどんなふうに世界や人間関係を捉えているのか」の表れとして理解できれば、もっと直感的に英文法が使いこなせるようになります。それを果たしてくれるのが、認知言語学の知識なのです。

認知言語学から見ると、文法とは話す言語を通して人がどのように世界を見ているのかを表す、一種の心理学のようなもの。

いろいろな言語の学習を通して、私は人間のものの見方を知ろうとしているのです。そしてその研究からわかったことをまとめると、次のようになります。

次ページ具体的には、何をやれば話せるようになる?
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