語学学習は「勉強というよりスポーツ」の納得理由 反復練習を通してしか身につかない感覚がある

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

つまり、正しい理屈を理解して、反復練習をするというやり方が、大人にとっては一番の近道なんです。だからやはり質の高い文法の勉強は必要ということですね。言葉の正しい直感は、正しい文法学習の上に成り立つのです。

反復練習を通して身につく「直感力」

英語秒速アウトプットトレーニング: 話すための英文法が身につく
『英語秒速アウトプットトレーニング: 話すための英文法が身につく』(Gakken)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

ただ一方で、「は」と「が」の使い分けのように、文法だけではうまく説明がつかない「感覚」というものもあるんです。

実際に英語を話す時には「うまく文法で説明できないけど、だいたい普通こういう言い方するよね。」という直感力も大事ですし、必要なんです。

だから、「まずは英文法で英語の組み立て方を身につけ、そのあとは例文を作れるように何度も反復練習して、体の中で英文のパターンを自動化する」という勉強のやり方が大事になります。

つまり、大脳皮質で勉強した英文法の知識を、大量の例文暗唱を通して直感レベルに高めていき、反復練習を通して大脳基底核で自動化するわけです。

(出所:『英語秒速アウトプットトレーニング: 話すための英文法が身につく』より)

結局私は、英語も中国語もポルトガル語も、このやり方で全て話せるようになりました。今勉強しているイタリア語やベトナム語も好調です。

もちろんこれで完成というわけではありません。そこからさらに複雑な文章を読んだり聞いたりして、またそこで得た良いフレーズをさらに反復練習して、それをネイティブスピーカーと話す時に使って…というふうに「読む· 聞く· 書く· 話す」のスパイラルをぐるぐると描くことでレベルは上がっていきます。

とはいえ、語学マスターの大黒柱は、結局この「文法学習+例文暗唱」なんです。

時吉 秀弥 (株)スタディーハッカーコンテンツ開発室シニアリサーチャー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ときよし ひでや / Hideya Tokiyoshi

兵庫県出身。神戸市外国語大学外国語学部英米語学科卒。米国ルイジアナ州チューレン大学にて国際政治を学ぶ。落語家の弟子、ラジオパーソナリティなどを経て、予備校では20 年以上にわたり大学受験生を教える。東京言語研究所にて西村義樹東京大学准教授(当時。現教授)、尾上圭介東京大学教授(当時。現名誉教授)らのもとで言語学を学び、2010年、同所で理論言語学賞を受賞。現在(株)スタディーハッカー・シニアリサーチャー。同社制作のYouTubeチャンネル「時吉秀弥のイングリッシュカンパニーch」にて英文法の解説を発信。著書に『英文法の鬼100則』(明日香出版社)『英語脳スイッチ!』(ちくま新書)など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事