台湾ルーツもつ人気映画監督が描きたい歌舞伎町 映画監督・萩原健太郎さん単独インタビュー

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日本と台湾で反応が違った「ブルーピリオド」

――映画「ブルーピリオド」が台湾で上映されましたが、反応はいかがでしたか?

「ブルーピリオド」は日本的な価値観を描いたものだと思っていました。たとえば、社会の空気を気にして自分の好きなものを堂々と言えない、行動したいけどできない葛藤。このようなテーマが他国の人にはどう映るのか興味がありました。

映画を鑑賞された台湾の皆さんとのQ&Aでは感動したという声が多くて驚きました。感じ方は人生のステージによるようです。日本では『夢を追いかけた時代を思い出して胸が熱くなった』という声が多かったですが、台湾では、今まさに悩みの中にいる若い世代に響いたようで、それがとても嬉しかったです。

また自分のルーツがある台湾で公開できたというのは、特別な出来事でした。台湾の映画監督、エドワード・ヤンも大好きですから。

――台湾にルーツをもつ監督にとって、台湾はどんなところですか?

母方の祖父母は台湾出身ですが、祖父の林以文は僕が生まれる前の1976年に亡くなっています。僕が直接知るのは祖母だけです。

母方は8人兄弟で、いとこが20人以上いて、年末年始になると東京の祖母の家に集まるのが恒例でした。僕の実家からも近かったので、よく遊びに行きましたが、今思えば、置物や壁の木に彫られた物語のような装飾とか、日本の家とは違う雰囲気がありました。

食事も、家政婦さんが作る台湾料理が多かった。トンポーロー(東坡肉)やセロリの炒め物です。旧正月にはみんなでチマキを作ったり、最後にはビーフンが出てきました。

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