4時間待ちも…トラック運転手悩ます切実な問題 シャワーに長い行列、知られざる水回り問題

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しかし、より迅速にシャワー施設を増やす必要があるのは、やはりSAPAだといえる。シャワーやトイレなどの問題は、「大型トラックが停められる広大な駐車場がある」ことが大前提。下道の場合、シャワー以前にまずはトラックの待機所を増やすのが先なのだ。

また、「働き方改革」によってこれまで下道を走っていたトラックも「効率性」を求められるようになり、今後も高速道路の需要や利用率が増加。そんな点からも、真っ先に増やすべきはSAPAのシャワーなのだ。

洗髪台よりもドライバーがほしいもの

こうした中、一部SAPAにはある設備が備え付けられている。「洗髪台」だ。体は車内で拭くなどの対策が取れるが、髪の毛はそういうわけにはいかないため、トラックドライバーたちからは好評を得ている。

「シャワーは10分で終わるんですが、待ち時間が長いので利用を断念することも。そんなときに洗髪台はありがたい」

(写真:筆者提供)

しかし、やはりどうせならばシャワールーム、ひいては「大浴場」を増やしてほしいという本音は変わらない。

トラックドライバー約289名にアンケートで既往歴を聞いたところ「腰痛」が99名でトップだった。当然だ。長時間運転で腰が完全に石と化したところ、突然数十キロもの荷物を数百個、手で積み降ろしするような環境だ。腰が悪くならないほうがおかしい。

(図表:筆者提供)

そんなドライバーに必要なのは、やはり洗髪台ではなく、手足を伸ばせる大浴場だったりするのだが、現在大浴場のあるSAPAは全国でも10カ所にも満たない。

「シャワーで疲れは取れません。シャワーでゆっくり体や患部を温めたいところですが、自分の後に続いていた長い列を思うとそうもいかない。浴場、増やしてほしいですね」

「1日中狭い空間にいるので、コインシャワーは温まらない以前に狭いことがストレス。数日に1回くらいは大浴場で大の字になれたら疲れの取れ方は絶対違う」

後編ではドライバーから絶大な需要があるにもかかわらず、SAPAが入浴やシャワー施設を増やしにくい事情について解説する。

橋本 愛喜 フリーライター

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はしもと・あいき / Aiki Hashimoto

大阪府出身。元工場経営者・トラックドライバー。ブルーカラーの労働環境問題などについて執筆。著書に『トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書)。

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