しかし、より迅速にシャワー施設を増やす必要があるのは、やはりSAPAだといえる。シャワーやトイレなどの問題は、「大型トラックが停められる広大な駐車場がある」ことが大前提。下道の場合、シャワー以前にまずはトラックの待機所を増やすのが先なのだ。
また、「働き方改革」によってこれまで下道を走っていたトラックも「効率性」を求められるようになり、今後も高速道路の需要や利用率が増加。そんな点からも、真っ先に増やすべきはSAPAのシャワーなのだ。
洗髪台よりもドライバーがほしいもの
こうした中、一部SAPAにはある設備が備え付けられている。「洗髪台」だ。体は車内で拭くなどの対策が取れるが、髪の毛はそういうわけにはいかないため、トラックドライバーたちからは好評を得ている。
「シャワーは10分で終わるんですが、待ち時間が長いので利用を断念することも。そんなときに洗髪台はありがたい」
しかし、やはりどうせならばシャワールーム、ひいては「大浴場」を増やしてほしいという本音は変わらない。
トラックドライバー約289名にアンケートで既往歴を聞いたところ「腰痛」が99名でトップだった。当然だ。長時間運転で腰が完全に石と化したところ、突然数十キロもの荷物を数百個、手で積み降ろしするような環境だ。腰が悪くならないほうがおかしい。
そんなドライバーに必要なのは、やはり洗髪台ではなく、手足を伸ばせる大浴場だったりするのだが、現在大浴場のあるSAPAは全国でも10カ所にも満たない。
「シャワーで疲れは取れません。シャワーでゆっくり体や患部を温めたいところですが、自分の後に続いていた長い列を思うとそうもいかない。浴場、増やしてほしいですね」
「1日中狭い空間にいるので、コインシャワーは温まらない以前に狭いことがストレス。数日に1回くらいは大浴場で大の字になれたら疲れの取れ方は絶対違う」
後編ではドライバーから絶大な需要があるにもかかわらず、SAPAが入浴やシャワー施設を増やしにくい事情について解説する。
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