政府が出している平均荷待ち時間は1.5時間。が、筆者が取材してきたなかで最も長い荷待ち時間は「21時間半」に上る。
終業後も長距離ドライバーは車内から離れない。
地元から遠く離れた見知らぬ土地。そこには当然、家族や友人はおらず、大型トラックが止められる場所には娯楽になるような施設もない。食事をしながら動画やゲームなどで時間をやり過ごし、その日溜め込んだ疲れを運転席後部の狭い寝台に身を預けては、そのまま眠りにつくのだ。
そのためキャビンは仕事場だけではなく「家」としての機能も果たす。キャビンには寝台だけでなく、テレビ代わりのiPadや大量の飲食料、中には電子レンジや冷蔵庫といった家電製品、包丁や鍋などの炊事道具を積み込んでいるドライバーもいる。
知られざる「トイレ」「シャワー」問題
しかし、いくら快適な空間をつくろうともかなわないのが「水回り」だ。日本のトラックには水回りの設備がないため、外の施設を使用するしかない。
1日何度も必要になるのが「トイレ」だ。普通自動車の場合、コンビニなどの駐車場にクルマを停めてトイレを借りることは容易だが、大きなトラックはトイレ以前に駐車マスが設けられていない店が多い。
都心においては駐車場すらない店舗も多く、トラックドライバーはつねにトイレの場所を気にしながら仕事をしているのが実情なのだ。
しかし、トイレ以上に深刻なものがある。それが、「入浴施設」だ。
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