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ライフ #獣医病理医からみた「動物の話」

「鼻が反り返った小さなヘビ」が急死した本当の訳 誤った飼い方で死んでしまうケースはよくある

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  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者
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実をいうと、獣医病理医として、ヘビの病理解剖の際には独特の緊張を強いられます。体がくねくねと動いてハンドリングが難しいことに加え、やはり鋭い歯が最大のネックとなります。

以前、動物園で6メートルのオオアナコンダの出張病理解剖を行ったとき、誤ってその鋭い歯で指を刺してしまったことがありました。

オオアナコンダ(写真:asante/PIXTA)

ヘビの歯は非常に鋭いので、刺さっても意外と痛みを感じません。そのときもちょっと歯に触れただけでしたので、当初は手袋が傷ついただけで指は無事と思っていました。

しかし、解剖後に手袋を外してみると、指から出血していることに気がついたのです。

幸い毒を持たない種であったものの、明らかに何らかの感染症で死亡していたので、傷口から病原体が体に入ってきてはいないかと、その後しばらくハラハラしながら過ごしたものです。

ヘビの病気解明にさらなる進歩を

今年も僕は、緊張を抱えながら何匹ものヘビを解剖することになるでしょう。「進歩の年」とされる巳年。1匹のヘビの死も無駄にすることなく、ヘビたちの命を通して、ヘビの病理学をさらに進歩させる――それが今年の僕の抱負です。

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