わずか3年で3割値上げ「大戸屋ランチ」変化の実情 物価高の時代、庶民の味方は今もコスパ最強だ
実際に、「梅おろしチキンカツ」「豚と野菜の黒酢あん」など、以前の人気メニューが姿を消している。代わりに登場した商品は比較的高めの値段に設定されているものも多い。
このように商品を入れ替えることでじわじわと客単価の底上げがされている。
なお2019年には一度「大戸屋ランチ」がメニューから消えたものの、ファンからの反発によりすぐ復活した経緯もある。お客にとっては嬉しい高コスパ商品も、大戸屋側からしたら値上げの足かせになっている可能性は否定できないだろう。
とは言え、昨今の物価高を踏まえると、いまだに大戸屋で1000円を切る定食が多いことは驚くべきことだ。吉野家や松屋のような牛丼チェーンですら1000円超えの定食を出す今、良心的すぎると感じる。
牛丼チェーンは「牛丼」という1つのアイテムに絞ることでオペレーションや仕入れを効率化して低価格を実現しているが、一方の大戸屋の定食は常時約40品のバリエーション豊かなラインナップで、しかも店内調理を取り入れた本格派。
とんでもない企業努力があり、これによるコスパの良さこそが多くの人に支持されるゆえんだ。
サービスも簡素化、しかしお客にもメリット大
値上げと同時にサービスの簡素化も進んでいる。値段も上げて、サービスも簡素化すると満足度が下がるのでは?と思いきや、お客と店、双方にとってメリットのある形に着地している部分も。
以前の大戸屋はフルサービスだった。一部店舗では入店時にレジで注文を済ませてから着席していたが、多くの店舗ではまず着席してメニューを見て、スタッフを呼んで注文する。
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