妻と夫はこんなにも「異世界」を見て暮らしている 何かと「話が通じない」のにはワケがあった

✎ 1〜 ✎ 159 ✎ 160 ✎ 161 ✎ 162
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
夫の家事力アップにより、わが家のお弁当はおかずを作る人が増えて、品数が多くヘルシーになりました。ちなみに、夫は「電気消し忘れ」などいまだ直らない部分もあるのですが、ほかのレベルがすごく上がったら、できないことにもなぜかイラッとしなくなったのです。イライラは単体の理由ではなく、ほかとのバランスで生まれるもののようです(写真:筆者提供)

「物理的に解決できること」を探ってみる

この「家庭内異世界」という言葉は、オンライン・コミュニティのやりとりの中で生まれました。そのやりとりでわかったのは、注意する側の性別は家庭によってバラバラだということ。そして、異世界紛争度が強い家庭だと、物理的に解決できる範囲も狭まるということです。でもそんな家庭でも、どこか必ず「物理的に解決できること」があるはずなので、ストレスを減らしたい人はぜひ探ってみてください。

さて、「家庭内異世界」には、世界の見え方や能力やレベルの違いではなく「両方にこだわりがあり、それが合わないことでもめる」というパターンもあります。そういう場合は、

・部屋やスペースでルールを分ける。治外法権的な場所を作る
・商品へのこだわりがどうしても分かれる場合は、それぞれが好きなものを使う

という解決方法もあります。オンライン・コミュニティメンバーの中には「うちは、シャンプー・ボディーソープ・食器用洗剤・歯磨き粉などの夫婦ですべて別の種類を買ってきて、各自詰め替えている。別に仲が悪いわけじゃない。場所はとるけどストレスはありません」という女性も。食器用洗剤まで⁉ とビックリしました。でも、異世界の住人との暮らしがお互いに満足できるのなら、やり方は「普通」と違っても全然問題はないんですよね。むしろ「普通」「常識」にとらわれる家庭はケンカやストレスが多かったりするのも現実です。

ちなみに、家事や育児のやり方の「普通」「常識」でもめたときは、周りの友人知人がどうしているかを複数聞いてみて参考にするのもひとつの手です。そのときは、自分とは違う属性(性別や年齢など)の意見もぜひ聞いてみてください。もしかしたら、自分の「普通」「常識」自体がかなり珍しいやり方だということだってあるのです。

夫婦だけなら大丈夫だったことも、育児中には気になるようになることはよくあります。そうなると、ケンカはどうしても増えるもの。育児をしつつ、まったくもめない、意見のズレがない家庭なんてありません。問題はもめることではなく、もめてから解決方法を探れる関係がどうかです。そして、そこが、夫婦の分かれ道となるのです。

この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事