欧州にバチカン市国より「小さな国」設立の可能性 アルバニア首相が「新国」設立を国連総会で発表

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雄大なダジティ山に近づくにつれ、だんだん瀟洒なイタリアンレストランの数が減っていく。どうやらワールドセンターは家族連れが住む、団地のようなエリアに建てられているらしい。

ようやく見えてきた大きな門をくぐると、モザイクタイルで綺麗に舗装された広大な敷地が目の前に現れた。今まで歩いてきた混沌とした道とのギャップに驚いてしまう。

ここでパスポートを預けないと施設内には入れない。一般的なモスクに比べかなり厳重な警備といえる(写真:筆者撮影)

コーランを読み上げる声が響く

意外なことに、センター内はしんとしていて、男性が朗々とコーランを読み上げている声だけがどこかから響いている。警備員の案内通り進んでいくと、突如目の前に巨大な大理石造りの緑色の宮殿が現れた。

ベクタシワールドセンター
“新国家”の本拠地となるベクタシワールドセンター(写真:筆者撮影)

ガラス張りの扉を覗くと、広間に信者のためのいすがずらっと並んでいるのが見えた。実はこれがベクタシ教団の特徴の1つである。

アルバニア市民の大多数を占めるイスラム教スンニ派では、男性と女性は別々の入り口からモスクに入り、別々に祈りを捧げることになっている。しかしベクタシ教団は、男女は同じ場所で祈ることができる。

スンニ派との違いはそれだけではない。ベクタシ教団では、飲酒や水タバコ以外の喫煙が許されており、女性もヒジャブと呼ばれるスカーフで肌を隠さなくてもよいとされている。また、ベクタシ信者の子どもは必ずしもベクタシ教団に入信する必要はなく、自由に宗教を選ぶことができる。

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