今日からできる「むし歯にならない」4つの食べ方 緑茶や海産物に含まれている「フッ素」に注目
前記事でもご紹介したように、酸蝕症やむし歯予防には口の中のpHを5.5以下にし続けない食べ方が大事です。食べ物を食べると口腔内のpHは低下し、酸性になります。これが続くと歯のエナメル質が溶け始め、むし歯が発生します。しかし、pHが中性に戻ると、エナメル質は再石灰化します。
むし歯にならない食べ方のポイントをまとめておきましょう。
口腔内のpHが低下する時間を短くするため、食事と食事の間にとる間食を控えましょう。1日3食を基本に、間食は1回までに。ただし、食事と一緒に食べる間食は0カウントでOKです。飲み物も、糖質、炭水化物が入っていれば、食事と同じようにカウントしてください。
むし歯菌のエサといえば糖。いろいろな“糖”がありますが、最もむし歯菌のエサになりやすいのは砂糖(ショ糖)です。500mlのペットボトル飲料、アイスクリーム1カップの中に驚くほどたくさんの砂糖が含まれていることはよく知られています。砂糖を含む食べ物や飲み物を避け、自然な甘みを持つ果物(果糖)のほうが、むし歯のリスクを抑えることができます。
キシリトールは甘いのに、むし歯のもとにはなりません。キシリトールガムは、むし歯の原因菌の活動を抑え、唾液の分泌を促進します。食後に噛むことで口腔内のpHバランスを保ちます。
フッ素が含まれる食べ物・飲み物をとる
歯を強くし、むし歯予防効果があるフッ素は、じつはいろいろな食べ物や飲み物に自然に含まれています。
なかでも緑茶はフッ素が多く含まれています(フッ素含有量:約0.3〜0.5ppm ※数値は地域や製品、抽出時間によって異なります)。
また、緑茶に多く含まれる「カテキン」が口内の細菌の増殖を抑制し、むし歯菌の数を抑えるといわれています。緑茶を定期的に飲むことで、むし歯のリスクが30パーセント低下したという研究もあります。
1日に2〜3杯食後に飲むことで、口腔内の酸性度を下げつつ(緑茶のpH値は7前後)フッ素を適量に摂ることができるという、一石二鳥の効果を得られるかもしれません。さらに、カテキンの抗菌作用が口臭を抑える効果もあります。
緑茶は濃いほうがフッ素量は多くなります。フッ素量は、抽出方法や濃さ(抽出時間や温度)に大きく影響されます。抽出時間が長くなるほど、茶葉から溶け出すフッ素の量が増えます。そして、高温で抽出するほど、茶葉からフッ素がより多く抽出されます。80℃や90℃の高温で抽出すると、より多くのフッ素が含まれることになります。
なお、次に挙げるのは、フッ素が多く含まれる食べ物ですが、見ると海産物が多いことに気づきませんか。海水中に含まれるフッ素を取り込んでいるからだと考えられます。
1位 海水魚:フッ素含有量約1〜4ppm
2位 エビ:フッ素含有量約1〜2ppm
3位 茶葉(緑茶・紅茶):フッ素含有量約0.5~3ppm
4位 海藻: フッ素含有量約0.3~1ppm
5位 貝類:フッ素含有量約0.3~1ppm
フッ素には歯のエナメル質をむし歯菌の酸に溶けにくくする力もあります。むし歯菌の働きを弱める力もあります。さまざまな点から、フッ素はむし歯を予防するうえで効果的なのです。
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