つまり、アプリ婚の構成比が増えていたとしても、それは元々アプリがあろうがなかろうが結婚できる人のきっかけの内訳が変わっただけであり、全体の婚姻数を底上げすることにはならないのです。アプリ婚が増えているのは、「出会いがない」という課題に応えた結果ではなく、アプリがなくても出会いを自力で作れる上位3割の恋愛強者に対して、便利なツールを提供したにすぎません。
男性でアプリの恩恵があるのは恋愛強者や経済強者
より酷な話をすれば、リアルな世界で出会いがない人がアプリならば出会えるかというとそうではなく、リアルで出会える人だけがアプリ利用でより多く出会えるようになるだけなのです。私が、「マッチングアプリは街のナンパのデジタル版でしかない」というのはそういうことです。
特に男性の場合、アプリの恩恵があるのは恋愛強者または経済強者のみです。なぜならば、プロフィールの写真や年収で最初に選別されてしまうからです。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる2021年「マッチングアプリの動向整理」によれば、「マッチングアプリで実際にデートした人数ゼロ」という割合が、20代24.3%、30代20.4%、40代にいたっては31.7%にも達しています。マッチングサービスなのに誰ともマッチングされない問題というものがあります。
加えて、同調査では「マッチングアプリの全体的な満足度」で「非常に満足」「満足」と回答した男性の割合は34.9%。常々、私が言っている「恋愛強者3割の法則」通り、恋愛強者の3割しか満足していないツールであるとも言えます。
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