同額を払うのであれば、キャラクターのほうが炎上は少なくなる。広告代理店のプレゼンテーションでも、アニメキャラのスキャンダルのなさがPRポイントとして強調されるだろう。
また、少しでもリスクを抑えるためなら、自社社員の活用も一手だろう。自社の商品がゆえに利点を知り尽くしているし、何よりモチベーションのアップにもなるだろう。
これまでの議論をまとめる。
消費者は単なる商品やサービスの購入者ではなく、企業の価値観や行動を見極める監視者にもなっている。SNS等で口コミをつねに摂取しているし、企業の選択や対応もリアルタイムで評価している。また社会的な反応を考えると、炎上が起きてしまったら、その芸能人の対象CM等を削除する流れはしかたない側面があった。
また、広告にAIキャラクターを採用する可能性はある。「漂白された世界」で安全策を取ることが、逆に消費者からの冷ややかな反応を招くリスクもあるため、できるだけ企業は採用する必然を演出する必要がある。
再挑戦できる仕組みの整備も必要ではないか?
現在の日本では議論がかなり早いだろうが、最後にもうひとつ、一般論として述べたいことがある。
誰もが言う、「社会的な責任」「再挑戦できる世界」という視点から考えると、芸能人の再起や復活・更生を支援する仕組みを作る必要もあるだろう、ということだ。
一度は事件で堕ちてしまった芸能人であっても、一定の禊ぎが済んだ後は、企業が採用する社会的理解も得られるべきだろう。たとえば、過去に問題を抱え乗り越えたストーリーを共有することは、多くの人の共感を得る可能性もある。
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