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中居正広CM削除「ソフトバンクの判断」が正しい訳 「示談してたのに…」は企業には一切関係ない

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当事者が口外しない契約とは知っていても、スポンサーであれば中居さんサイドに状況をヒアリングするのは当然だろうし、CMの非公開はそのうえでの結論ということなのだろう。

CM起用を続けることはなぜ企業的にリスクなのか?

もっとも、トラブルとCM非公開の因果関係は明確ではない。それにソフトバンクとしては、その因果を説明する義理もないし、言わないほうが無難だろう。

これ以上の勝手な詮索は(傷口を広げる意味では女性にも)失礼というものだろう。

そこで、ここからちょっと、ご自身のこととして考えてほしい。

これは一般例なので、今回の事件を指しているわけではない。あなたが企業の担当者だとする。そのときに、自社CMで採用している芸能人の不祥事のニュースが飛び込んできた。

しかし、刑事事件には発展しておらず、民事の裁判であり、どうやら和解で終了しているとしよう。

そのとき、社会が騒いでいない状態で、それでもなお自社のコンプライアンス違反だとしてその芸能人を切らねばならないと決断できるだろうか。

そのうえで同僚から、「事件は解決したみたいだよ。金銭で解決したらしいから、物事を大きくする必要はないよ。この案件にこれ以上、頭を突っ込むなよ」と念押しされたらどうだろう。

それでも社内を説得する覚悟があるならまだしも、そうではないのであれば、この手のニュースに対して慎重にならねばならないだろう。ほとんどの担当者は、不祥事について知ってはいたけれども様子見をして、世間が騒ぎ出したらCM非公開の決断を下すだろう。

なお、私は企業の窓口の社員が日和っているという話を言いたいわけではない。特定の立場の人たちを責めるだけでは解決しない。構造上の問題だと私は思う。

というのも炎上が大きくなるほど、その芸能人を切らねばならないという社会的な必然がある。この世の中には心的外傷後ストレスを発症したり、トラウマを抱えたりする方が非常に多い。まったく無関係な芸能人の事件であったとはいえ、フラッシュバックする人がいるかもしれないし、自ら命を断つ視聴者もいるかもしれない。

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