韓国大統領「戒厳令」暴走には経済問題があった! 騒動の背後でうごめく経済分野の「韓国病」とは

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唐突に発表され、無様に終焉を迎えた戒厳令は、外国人の視点では茶番劇のように映るかもしれない。

しかし、韓国国民5000万人にとって、それは笑いごとでは済まされない。軍を動員して民主主義体制を掌握しようとする試みは、韓国人が振り返りたくない歴史的な傷を呼び起こすからである。

「民主化から37年を経た韓国では、国民は民主主義の概念を十分に理解しており、再び独裁者の横暴を受け入れることはありえない」

1980年代に韓国の民主化運動を最前線で目撃した元ジャーナリストで、現在は知韓文化協会の朱立熙執行長はこう分析する。今回の正当性を欠いた戒厳令は、社会の強い反発を招いただけでなく、軍の支持も得られず、軽率に行動した尹錫悦が任期を全うするのはほぼ不可能と見られる。

大混乱「経済優等生」の破綻

尹錫悦は2024年12月7日、与党議員が欠席して一時的に国会での弾劾を免れたものの、戒厳令騒動から1週間が経過した時点で数百万人の国民が韓国の主要都市でデモを行い、辞任を求めて声を上げた。

さらに、与党が提案した尹錫悦の「秩序ある早期退任案」は、火に油を注ぐ結果となり、国民の怒りをさらに煽ることとなった。

真冬の寒さの中、現在の韓国は、灼熱の溶岩によって破壊された火山島のようである。人々の怒りの噴出は、尹錫悦個人の統治能力不足や民主主義への理解の欠如だけが原因ではない。

長年にわたって韓国社会を苦しめてきた構造的な問題が複合的に重なり、未来に希望を持てない国民が、機能不全に陥った政治に対して最後の忍耐を失った結果なのである。

すべての始まりは、経済問題にある。

尹錫悦が予告なしに戒厳令を発表する5日前、韓国では国際金融界の注目を集める大きな衝撃が引き起こされていた。

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