「牛丼店にもイクラ」日本人が知らない資源の実態 すき家や松屋に登場、イクラ丼から考える水産資源

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採卵で遡上を妨げてしまっているのと、もう1つの問題があります。それは人の手によって採卵されなくても、護岸工事などで、そもそもサケが遡上できなくさせてしまっていることです。

写真の川は目の前が海です。筆者はこんなに海に近い川でサケが産卵しようとしている光景をみました。仮に生まれたとしても、稚魚が隠れる場所さえなく、大雨でもあればすぐに海に流されてしまうことでしょう。

人工の建造物のため遡上できないサケ(写真:筆者提供)
サケの遡上を止めてしまっている人口建造物(写真:筆者提供)

国際的な視点の資源管理が重要

日本という狭い視点でサケが減っていくことを議論すると、他の魚種も同様ですが、海水温上昇などの環境要因に傾きやすくなります。しかしながら、アメリカ・ロシアをはじめサケの資源をサステナブルにできている国々と比較すると、日本との大きな違いとその問題点が見えてきます。

視野を広げて国際的な視点で資源管理を行うことが何よりも重要なのです。

片野 歩 Fisk Japan CEO

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かたの・あゆむ / Ayumu Katano

早稲田大学卒。Youtube「おさかな研究所」発信。2022年東洋経済オンラインでニューウェーブ賞受賞。2015年水産物の持続可能性(サスティナビリティー)を議論する国際会議シーフードサミットで日本人初の最優秀賞を政策提言(Advocacy)部門で受賞。長年北欧を主体とした水産物の買付業務に携わる。特に世界第2位の輸出国であるノルウェーには、20年以上毎年訪問を続けてきた。著書に『日本の水産資源管理』(慶應義塾大学出版会)、『日本の漁業が崩壊する本当の理由』他。

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