「牛丼店にもイクラ」日本人が知らない資源の実態 すき家や松屋に登場、イクラ丼から考える水産資源
日本のサケ類の漁獲量推移は次のグラフのとおり減っている傾向がわかります。なおサケ類にはシロサケのほかにカラフトマスなどが5%程度含まれていますが、ほぼシロサケです。なお、アラスカやロシアはカラフトマスの数量が、その年のサケ類の水揚げ量に大きく影響し、イクラの相場を大きく左右させています。
アメリカとロシアはサケ類の漁獲量が増加傾向
次のグラフは、太平洋におけるシロザケ、カラフトマス、ベニザケなどのサケ類の漁獲量推移を示しています。紺が日本、青緑がアメリカ(主にアラスカ)と紫がロシアです。日本は減り続けているものの、アメリカとロシアは凸凹があるにせよ減少どころか増加傾向であることがわかります。
次のグラフは魚種ごとに分けたものです。全体の漁獲量で大きく凸凹ができる理由は、カラフトマス(pink salmon)の資源量の一時的な増減によります。カラフトマスは、主に4歳で産卵するシロザケと異なり、2歳で産卵します。世代が2年ごとに分かれており、資源量が多い世代が回遊すると漁獲量が増えます。
毎年のように今年はサケが不漁とか前年より何割増えた、もしくは減ったという報道があります。年によってはサケの水揚げ量が前年比で何割増などというニュースが出ます。しかし、サケに限らず、すっかり水揚げ量が低迷していることを伝えず、前年比だけを強調すると、水産資源が大幅に回復したのでは?と誤解させられる場合があります。
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