「男性指導者ばかり」女子スポーツが持つ深刻課題 パワハラやセクハラの被害もある未整備な環境

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ローレウス財団は、スポーツの力を活用して、世界中の子どもたちや若者、彼ら・彼女らの地域コミュニティにおける暴力、差別、不平等のなくすことを目的として設立され「アスリートのアカデミー賞」と言われる「ローレウス・ワールドスポーツ・アワード」を授与している。

子どもたち、とりわけ女子の「スポーツ離れ」を食い止めるために、ローレウス財団は2020年、プロテニスの大坂なおみ、スポーツメーカー大手のナイキとともに女の子のスポーツ参加促進支援を行うプログラム「プレー・アカデミー with 大坂なおみ」を設立した。

このプログラムは生涯を通じて恩恵があると証明されている「スポーツ」と「遊び」を、現代社会に根付いているジェンダー格差を埋めるのに役に立つエンパワーメントツールとして活用し、女の子たちの生活に変革をもたらすことを目的としている。

スポーツを手段としてジェンダーギャップを解決

「女の子たちの選択肢の1つとして、スポーツの価値をいかに最大化するかを考えています。地域スポーツの仕組みにおける女子への配慮が、学校でも地域でもまだまだ十分ではありません。その一方で、日本では部活動の地域移行が進んでいますが、特に女子の受け皿をどうやって作っていくかが重要な問題です。

もう1つは、日本には、欧米圏でいうセーフガーディングのような保護措置、安全措置的な仕組みが少ないんです。東京オリンピックの前には、体罰やパワハラが指導の一環のようになっている日本のスポーツ界の指導が、ヒューマン・ライツ・ウォッチから非難されました。そういうスポーツ環境を改善していく取り組みも続けています。

そしてジェンダーギャップの問題です。日本は、世界ジェンダーギャップ指数が146カ国中118位。先進国でも最下位です。スポーツを手段として活用しこの課題に取り組めるのではないか考えています」

篠原さんは語る。女子のスポーツ環境の改善を通して、ジェンダーギャップの改善にも取り組もうという、スケールの大きな取り組みなのだ。

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