野党3党の「複雑な関係」で最も得する意外な人物 立憲、維新、国民民主…それぞれの思惑
そして故・大平正芳首相の後継を自負し、選挙には強い玉木氏に比べ、小川氏には地元のメディアを牛耳る自民党の平井卓也氏という強敵が存在する。
2009年、2021年、2024年の衆院選では平井氏に勝利できたが、初出馬の2003年には平井氏に敗退し、2005年、2012年、2014年、2017年は比例復活。とりわけ2017年の衆院選では、「玉木氏の比例票のおかげで、小川氏は復活当選した」と揶揄されたことがある。
国民民主に”白旗”をあげてしまった立憲
12月7日の関係では、小川氏は立憲と国民民主の支持率逆転の理由についてこうも述べた。
「昔、維新に抜かれていたことがあった。あえて要因を問われれば、想像だが、これだけ『103万円の壁』が注目を浴び、そして世間の後押しを受けた状態で、その旗を振っているわけだから、支持と期待が集まるのは当然だ」
要するに、国民民主に事実上の“白旗”を挙げたのだ。そして立憲は、異なる方向で存在感を示そうとした。この日に成立した補正予算に能登半島の支援1000億円の追加などを入れ込むことに成功し、28年振りの「補正の修正」を実現。しかし、最終的に立憲は採決には反対した。
「私は賛成してもいいと思っていた。補正予算は政権の方針を表す本予算とは異なるし、与党は我々の修正を飲んでくれた。今はもう、なんでも反対すればいい時代ではない」。ある立憲民主党の議員はこう述べたが、代表の野田氏は20日の会見でこう発言している。
「それ(政党支持率で国民民主党に負けたこと)は残念だ。よく我々も分析して、対応を考えなければならない。とはいいながら、やっていること自体は間違いない。国会という我々の職場で、きちっと成果を出していくことによって、政党に対する信頼感が出てくると思う」
「なんでも反対」なら55年体制の社会党の姿勢となんら変わりがない。何よりも野田氏の発言は表層的で、自身が率いた民主党政権がなぜ失敗したのかという反省が見えてこない。
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