「20チーム、44日間、48試合、13会場、そして優勝は1チーム」
大会を主催するワールドラグビー(旧称・国際ラグビーボード、IRB)はさまざまな数字を使ってイングランド大会の規模を示している。前述の数字以外にも興味深いデータが数多く並んでいる。日本人の目には「はたして日本大会ではこの水準をクリアできるだろうか」という厳しい目標も少なくない。
例えば、チケットの総販売枚数は240万枚に達する。大会は予選リーグと決勝トーナメント合わせて48試合だから、単純に割り算すると1試合の定員が5万人となる。イングランド大会では世界でも有数の巨大施設が使われる一方、地方都市では2万席以下の小規模会場も使われるから、「うちでも十分やれる」と考える日本側の運営者もいるかもしれない。日本大会はすでに12都市での開催が正式に決まっている。ただ一部の施設ではかなりの改修が必要なほか、これから建設というスタジアムもある。
今大会では、8万1605人の定員を持つラグビーの聖地・トウィッケナムで10試合が行われるが、それとは別にロンドンではわざわざサッカーの聖地・ウェンブリー(定員9万2256)、オリンピックスタジアム(同5万4000)にも試合を振り分けた。
このように充実したロンドンの施設水準に比べると、日本の現状は厳しいと言わざるを得ない。旧国立競技場を解体してしまった今となっては、「東京ではどこで試合をやるのか」という素朴な疑問が国外のラグビー界を覆っている。
国外からサポーター50万人が訪英
大会中、英国には50万人超の国外サポーターが押し寄せる見通しだ。近隣国のフランスやイタリアからの観戦客は一定数いるものの、豪州、ニュージーランドといったオセアニア勢がかなりの割合を占める。
訪英する日本サポーターも4けたに達するだろう。たまたまシルバーウィークの連休中に初戦、2戦目のスコットランド戦(23日)が行われることも後押しとなっている。予選リーグの日程だけで3週間以上にわたるため、全てを見続けることは難しいだろう。
一方、強豪国のサポーターの中には予選リーグから準決勝、決勝まで現地で応援を続ける人も少なくない。日本での開催となると、欧州とオセアニアの両方からファンが押し寄せるため、「訪日サポーターが100万人」といった数も夢ではないだろう。ところが問題は大会期間の長さだ。オリンピックは2週間で終わってしまうが、ラグビーW杯はサッカーW杯より長い8週間近くに及ぶ。
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