宇宙ごみ除去・アストロスケール「下方修正」の背景 株式市場からの評価と期待を両立する難しさ
「プロジェクト収益を下方修正します。申し訳ありません」
スペースデブリ(宇宙ごみ)の除去技術等の研究開発で最先端を行く、アストロスケールホールディングス。日本発の、期待の宇宙ベンチャーが東証グロース市場に上場したのは6月5日のこと。それから半年後の12月13日、アナリスト向けの決算説明会で同社の岡田光信社長はそう言って頭を下げた。
プロジェクト収益が3割超下振れ
2025年4月期の業績予想について、従来は「プロジェクト収益」を180億円としていた。今回、中間決算(2024年5月~10月)の発表に併せて、通期見通しを3割超の大幅下振れとなる120億円に見直した(前年度の通期実績は46億円、今期の中間実績は25億円)。
プロジェクト収益とは、アストロスケールの独自指標で、一般的な企業の売上高にあたるもの。同社では会計の振り分け上、事業の対価として受け取る収入のうち売上高には認識されず、その他の収益に計上される政府補助金収入がある。そこで、会計上の売上高と政府補助金収入を足したものをプロジェクト収益と称し、実質的な事業実態を示す数字と位置付けている。
12月13日には、これまで開示がなかった今期の損益予想についても初めて開示。170億円の営業赤字、185億円の最終赤字(前期実績はそれぞれ115億円と91億円の赤字)になる見通しを示した。もっとも、それ自体はネガティブサプライズではない。かねて赤字拡大の方向感は示していたからだ。
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