トップは「決断」ではなく「臆測」でモノを言う 間違いが判明したとき修正できる人は「まれ」

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間違いが判明したときに正しく修正できるトップは「まれ」(写真:ふじよ/PIXTA)
世の中の不確実性が高まっている今、あなたの会社にコストやスピード、信頼性、利便性といった点において大きな変化が起こるとしたら、どうだろうか。
幸いなことに変化が瞬く間に起こるということはない。つまり、注意を怠らない先見の明のあるリーダーであれば、行動を起こすべきときをちゃんと「見極める」ことができるのだ。
当然、変革の時代の到来に備えようと、今すぐ何らかの行動を起こしたくなる経営者も多いだろう。しかし、コロンビア大学ビジネススクールで教鞭をとり、経営戦略の名著『ディスカバリー・ドリブン戦略』を執筆したリタ・マグレイスは彼らの盲点を指摘する。

「臆測」だけで動くトップが後を絶たない

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デジタル化を推進する壮大な計画の立ち上げには、大がかりで野心的な他のイノベーションとの明らかな類似性がある。その特徴とは、意思決定者が確固たる事実なしで見通しを立てなければならないことだ。ともかく早急に決断を下す必要があるらしいが、そのコンテクストが不確かであるために、彼らの判断が正しいと保証するのが難しい。

この極めて不確かなコンテクストでは、それは決断というよりも臆測に近いものだろう。こうした「意思決定」にもとづいて運営される組織が、いずれ最悪の下方スパイラルにおちいるのは間違いない。

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