「仕方のない赤字」があるという、大いなる勘違い 日立もかつては黒字に頓着しない体質だった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
東原敏昭氏
東原氏がV字回復後にしかけた経営改革とは?(撮影:尾形文繁)
川村隆・元会長、中西宏明・前会長の後を受けて2014年、社長に就任、2016年には最高経営責任者(CEO)となり、ほぼ6年にわたって日立グループのかじ取りを担った東原敏昭氏。
東原氏に課せられたのは営業利益率の高い「稼げる会社」にすることと、コト(サービス)を売る社会イノベーション事業への転換を加速させ、その分野で世界に伍していける「グローバル企業への成長」を果たすこと。東原氏はCEO就任3年目で目標の営業利益率8%を達成し、後半の3年間で1兆円を超える大型買収などを決断し、世界で戦える企業へ変革する道筋を付ける。
東原氏が初の著書『日立の壁』で語った、V字回復後にしかけた経営改革とは━━同書より抜粋・編集してお届けします。

稼げる会社にする方法

『日立の壁』書影
『日立の壁』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

私は2016年に執行役社長兼CEO(最高経営責任者)になったとき、大事なミッションの1つは、全社の事業やプロジェクトの実態を把握し、不採算事業や将来性に乏しい低収益事業を整理することでした。「稼げる会社」にするためです。

カンパニー制を廃して新たに作った社内組織であるビジネスユニット(BU)のCEOには、「営業利益率5%以下の事業について、改善の合理的見込みがなければ撤退するのが原則です」と言い渡しました。事業継続するなら営業利益率8%以上をめざす。さもなければ事業撤退。二者択一を迫りました。厳しかったと思います。

次ページ実態は赤字を垂れ流していた
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事