身ぶりと声が「何を言うか」より遥かに大事な根拠 本音を語らない人の本音を知る確かな手がかり
ところが、会話の相手は、こちらのボディランゲージに影響を受けてしまう。これを思えば、会話は口から発せられる言葉よりも、ボディランゲージや声のトーンをとおして交わされているといえるだろう。
私たちは、相手の発言や話し方、書かれた文章をとおして、その人の気持ちをさまざまに解釈する。
なぜ同僚は、あんなそっけない言い方をしたんだろう? なぜ彼女は、会議でぼくが話しているときにスマホをいじっていたんだろう? なぜ上司は、私が大事な話をしようとしたのに上の空だったんだろう?
そっけない、あるいはネガティブに解釈されがちな声のトーンは、たちまち相手のワニとサルを目覚めさせる。
言葉より「トーン」が脳に伝わる
言葉に感情を読み解く手がかりがまったくないと、たいていは自動的にネガティブに解釈される。
私たちは、物事がうまくいっていて何も問題ないと思える証拠を求めている。その証拠が得られないと、最悪の事態に備える。ようするに、目の前にいる人物が敵か味方かわからない状況で、出たとこ勝負はできないのだ。
相手が味方だという証拠がないのに、味方だと想定して行動するようなリスクは冒せない。もし冒していたら人類はこんなにも長く生き延びられなかったし、いまのワニ脳とサル脳もなかっただろう。
いいかえれば、「何を言ったか」だけでは足りないのだ。「どのように言ったか」もまた、相手の受け取り方を左右する。だから、自分が伝えたいことを「どのように発信すべきか」も考えなくてはいけない。
ボディランゲージと声のトーンから、どんなシグナルが発信されるかを意識しよう。それらがポジティブに響くものなら、多少ぎこちなくてもかまわない。相手のワニとサルは、こちらを味方だと解釈してくれるだろう。そうすれば、その相手の警戒心も緩むはずだ。
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