身ぶりと声が「何を言うか」より遥かに大事な根拠 本音を語らない人の本音を知る確かな手がかり

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言葉を受け取る当人にこう囁やきながら。「あの、言葉を担当するとかいう新顔のヒト脳には頼るなよ。おまえが頼るべきは、おれたちワニとサルだ。おれたちは大昔からここにいて、おまえたち人間の命を救うために進化してきた。だから、おまえはおれたちの言うことだけ聞いてればいいんだ。ヒト脳の言うことは無視しろ。あいつは、まだ新米なんだから」

人はしぐさのほうに「本音」を感じる

元FBI捜査官のジョー・ナヴァロは、未来の捜査官にボディランゲージの読み取り方を教えている。ナヴァロはこの分野の専門家で、ボディランゲージが人間の本心を暴露し、嘘をついても身体をとおして真実が漏れてしまうという。

彼は、人間がワニモードのときにどんなボディランゲージを見せるかを、著書『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学』[西田美緒子訳、河出書房新社、2012年]のなかで解説している。

私たちは、古い脳のボディランゲージを抑えることができない。なぜなら、古い脳は意識の力をしのぐほど強力だからだ。そのため、強いストレスを感じているときにワニ脳で状況を処理しはじめると、無意識のうちにワニのボディランゲージが表れてしまう。そのボディランゲージは、まさに本音を語っている。

ナヴァロは、ワニ脳による非言語コミュニケーションの分析法を身につけて以来、たくさんの未解決事件を解明している。

このように、ボディランゲージの影響力もまた絶大だ。つまり会話の相手にとっては、こうしたボディランゲージも声のトーンと同じく、こちらの言葉を解釈する大きな手がかりになる。

あいにく、私たちは自分のボディランゲージや声のトーンを常に意識しているわけではないので、本当に伝えたいこととは違うシグナルが送られがちだ。とりわけストレスを感じているときは、つい短い受け答えになる。神経が高ぶり、ポジティブな気持ちで会話するのは難しくなる。ことによると、目の前のことをさっさと片づけて次のタスクに移りたいと考えるかもしれない。

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