身ぶりと声が「何を言うか」より遥かに大事な根拠 本音を語らない人の本音を知る確かな手がかり
楽曲のニュアンスが出だしのフレーズで決まるように、あなたの話を相手がどう受け取るかも、あなたが発する声次第だ。よいコミュニケーションの基本は、適切なトーンで話し出すことだ。
アメリカのコミュニケーションの研究者アルバート・メラビアンと研究チームは、話す人の表情と声の重要性について調べる実験を行った。その結果、被験者が自分の気持ちを伝えた場合、言葉は7%しか相手の解釈に影響を与えないことがわかった。
言葉の影響力が、非言語に比べてこんなにも低いことに驚いたのではないだろうか。
たとえば、会話の相手が皮肉っぽい口調でため息をつきながら「ああ、楽しかった」と言ったら、私たちはその言葉をまったく信じないだろう。つまり、言葉の影響力は0%だ。
では、なぜ言葉よりも非言語コミュニケーションのほうが影響力が大きいのだろう? また、本当に伝えたいシグナルを送るには、どのように非言語を使えばいいのだろうか?
思いがけず「ワニ脳」が出てくる
「何を言ったか」──つまり言葉は、ヒト脳で解釈される。
「どのように言ったか」──ボディランゲージと声のトーンで発信されたシグナルは、ワニ脳とサル脳で解釈される。
ワニ脳とサル脳は太古の昔から存在する脳だ。だから、この2つの脳は、自分たちが優先的に相手の発言を解釈できると思っている。
ワニ脳とサル脳には、「言葉がどのように発せられ、どう受け取るべきか」を判断するテンプレートがあり、常にそれにしたがっている。
たとえば、あなたが自分の感情を声のトーンや顔の表情、ジェスチャーなどの非言語によって発信すると、相手のワニ脳とサル脳はその非言語を手がかりに解釈する。つまり、あなたの言葉そのものはスルーしてしまうのだ。
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