スキマバイト「エリクラ」サービス終了の急展開 ごみの不法投棄を余儀なくされる実態があった
スマホを利用した類似のスキマバイトアプリとしては「タイミー」や「シェアフル」などがあるが、これらの場合は事業者とワーカーは雇用契約を結ぶ。ワーカーは労働者に当たることから、法令に定められた最低賃金や休業手当といった保障が原則適用される。これに対し、業務委託契約であるエリクラでは、ワーカーは個人事業主となるため、こうした保障は適用外。ほうきや雑巾、軍手などの用具は自費で用意しなければならないほか、集めたビンや缶、雑草といったごみは持ち帰るよう指示されることが多い。
一方で清掃事業によって生じたごみは産業廃棄物、もしくは事業系一般廃棄物とみなされる。また、それらの運搬や廃棄方法については、自治体ごとに細かいルールが決められている。特に廃棄方法については、たとえ少量でも有料で処分するよう規定している自治体が多い。その場合、エリクラの業務で出たごみを自宅に持ち帰り、いわゆる家庭ごみとして捨てた場合は不法投棄に当たる可能性がある。
当事者の声
東洋経済オンラインでは、9月13日と10月25日の2回にわたり、連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」で、こうした問題についてリポートしてきた。
この間の取材では、エリクラを通して働いた当事者たちがマンションや駐車場清掃などで出たごみの処分方法について「違法だと知っているが、家庭ごみとして出している。雑草や枯れ葉が入った45リットル入りのごみ袋2つ分を捨てたこともある」「自宅のごみステーションに捨てていたが、(自治体の規定を調べてみたら)有料のごみ処理券を買わなければならないことがわかった」「少量だったので、帰り道に公園のごみ箱に捨てていた」と証言。結果的にごみの不法投棄につながっているケースがあることがわかった。
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