世界一、寄付しない日本人が損していること カリスマ投資家がやさしく教える経済の本質

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お金持ちになりたければどうすればいいのでしょうか(写真:pastelo / PIXTA)
ドン・キホーテやジェイアイエヌ(JINS)の成長に賭けて大成功、運用するファンド「ひふみ投信」でR&Iファンド大賞を4年連続受賞したファンドマネジャー・藤野英人氏。草食投資隊としてもおなじみの藤野氏が、投資で勝ち残るための思想を赤裸々に語った『投資バカの思考法』が話題になっています。投資を超えて、生き方にまで応用できる、最強の「投資哲学」から、誰もが避けて通れない「経済」と「おカネ」の本質について明かします。

投資をしておカネを増やすにあたって、「経済」を正しく理解することはとても大切なことです。「経済」について、少し身近なところから考えてみましょう。

「赤ちゃんがいるだけで経済が動いている」

「経済」というと、商品をつくったり売ったりするイメージがありますが、じつはそれだけではありません。「すべての人」が経済活動に参加しています。

専業主婦や学生のように、労働の対価としておカネをもらっていない人たちも、経済主体のひとりです。どういうことでしょうか。

「赤ちゃん」を例に考えてみましょう。

赤ちゃんは、ひとりでは何もできません。おカネを稼ぐことも、おカネを払うこともできません。お父さんやお母さんに支えられて生きています。

ですが、投資家の視点で見ると、

「赤ちゃんがいるだけで経済が動いている」

と考えることができます。

赤ちゃんは、オムツ、ベビーカー、ミルク、哺乳瓶、ベビーベッドなど、ベビー用品を消費するだけですが、もしこの世から赤ちゃんが消滅してしまったら、ベビー用品を扱う会社は存続できません。

赤ちゃんがいることによって支えられている会社はたくさんあります。赤ちゃん関連の会社に勤めている人は、赤ちゃんが存在しなければ、給料をもらうこともできないでしょう。

つまり、自分で稼ぐことができない赤ちゃんでさえ、立派に経済活動をしていることになるのです。

「経済とは何か」を突き詰めて考えていくと、こんなことがわかります。

「人は、ただ生きているだけで価値がある」

「人は、ただ生きているだけで誰かを支えている」

生産活動に参加していなくても、消費活動を行っているだけで、「誰かの役に立っている」のです。

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