「図解と文章」の伝達力の違いを"図解"してみる 1度で理解できないような文章は「悪文」である

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そのほか、目標達成のプロセスが瞬時にわかるのみならず、総務部・株主・一般会員・取引先など関係者同士の構図もすぐにつかめます。つまり、図解とは、重要性や関係性や時系列を含む「ものごとの構造と関係を表現する技術」なのです。

図を描くことで「描き手」の理解も深まる

そのメリットは「読み手にとってわかりやすい」ことだけではありません。「描き手」の理解力も高まるのです。自分なりに構図を考えながら図解を描いていると、自分がどこまで内容を把握しているのかが明確になります。

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「箇条書き」は、よく考えると問題があります。箇条書きには、各項目の優先順位や大きさあるいは因果関係などが盛り込まれていないからです。

項目間の関係をも表現できる図解は、箇条書きの情報をさらにもう一段深めた表現法であるといえます。

文章は、細かなニュアンスや言葉のあやで微妙な表現も可能ですが、図解は細かな部分は省いてしまうので情報の整理がすっきりとして切れ味がいいという特徴があります。

思い当たることがあると思いますが、文章は自分が十分に理解していない場合でも理解しているような顔をして書くことができます。

図解は自分が理解していない場合は、人に見せることを躊躇してしまいます。図解では描いた本人の理解度がモロに出るため、ある程度の自信がなければ、人に見せることにためらいが生じるのです。だから、さらによく考えようとする。それが大事なのです。

久恒 啓一 多摩大学名誉教授、宮城大学名誉教授、NPO法人知的生産の技術研究会理事長

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ひさつね けいいち / Keiichi Hisatsune

多摩大学名誉教授。宮城大学名誉教授。NPO法人知的生産の技
術研究会理事長。

1950年大分県中津市生まれ。九州大学法学部卒。1973年日本航空
入社。英国勤務や客室の労務担当を経て、広報課長、経営企画担
当次長を歴任。1997年早期退職し、新設の県立宮城大学教授(事
業構想学部)に就任。学生部長、大学院研究科長。2008年多摩大学
教授。経営情報学部長を経て副学長。

ビジネスマン時代の1990年に『図解の技術』(日本実業出版社)
を刊行。2002年の『図で考える人は仕事ができる』(日本経済新
聞社)、『50歳からの人生戦略は「図」で考える』(プレジデント
社)など著作は100冊を超える。2020年より『図解コミュニケー
ション全集』全10巻を刊行。近年は、1000館を超える「人物記念
館の旅」をベースにした『遅咲き偉人伝』(PHP研究所)など「人
物論」にも力を入れている。

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