誰が本当の夫?「清少納言の夫」のさまざまな説 夫の1人と言われている橘則光には物騒な話も
則光は宿舎から抜け出て、女性のもとに足しげく通っていました。
太刀を持ち、小舎人の童1人を連れて、大宮通りを歩く則光。すると大垣の辺りに人が沢山立っているのを、則光は目にしました。
則光は関わり合いを持ちたくないと思い、通り過ぎようとすると「おい、そこの者、止まるのだ。君達がおられるのだ。ここを通すわけにはいかぬ」との声が聞こえます。
則光は無視して通ろうとしますが、則光のもとに走ってきて「通さんぞ」と言う男性もいました。
則光がその男性を見ると、弓は持っておらず、太刀を持っていました。「弓を持っていないならば、恐れるに足りない」、こう安心した則光はそこを通り過ぎようとしますが、男性は太刀を振りかざして襲いかかってきます。
身をかがめる則光。男は勢い余り、則光に覆いかぶさってきました。さすがの則光も太刀を抜かざるをえず、男の頭の真ん中を斬ります。すると男は、仰向けに倒れてしまいました。
則光に次々と走り寄る男性たち
「よし……」と思っていたら、またすぐに別の男性が「どうしたんだ」といって、走り寄ってきます。
則光は太刀を脇に挟み、逃げようとしますが、その男性の足は早く、追いつかれてしまいました。仁王立ちで男性を待つ則光。そこに男性が突進してきます。その男性も勢い余って、則光に激突。倒れてしまいました。則光はそこを素早く太刀で頭を斬るのです。
「やれやれ……」と思っているところに、またもや男性が現れます。まるで格闘ゲームのようです。
新たな男性は「小癪な奴め、逃さんぞ」と言い、襲いかかってきました。「今度こそはダメか。神仏よ、助けたまえ……」、そう則光は祈りつつ、太刀を持ちます。
男性は太刀を振りかざし、則光を斬ろうとしますが、近すぎて、則光を斬ることができません。
太刀を鉾のように持っていた則光は、近づいてきた男性の腹に太刀を刺し、男性の腕をも切り落とすのでした。
まだ誰かいるのかと則光は辺りを見回しますが、誰もいません。小舎人の童はどうしたのかと思い、来るのを待つ則光。童は泣きながら、通りを歩いていました。
呼びかけると、すぐにこちらにやって来ます。則光は童に命じ、宿舎から着替えを持ってこさせます。血のついた衣服を脱ぎ、新しいものに着替え、宿舎に戻り、則光は眠りにつきます。
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