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トランプ大統領の関心を引いた高市首相の交渉術、中東緊迫下で提示した石油共同備蓄構想

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3月19日、トランプ米大統領と会談する高市首相。イラン情勢では対立を避け、日米同盟強化を印象づけた(写真:共同)

そこは、首相官邸関係者、それも限られた人物の間で「奥」と呼ばれている。

官邸5階の首相執務室。大きな執務机の背後は一面壁で、その左右両端に小さな扉がある。右側の扉を開けると「奥」と呼ばれる約25㎡の小部屋が現れる。小ぶりのベッド、リクライニングチェア、勉強机といすがある。ここは首相執務室からしか出入りできない。

高市早苗首相が小部屋に入ると、センサーが作動して首相執務室に隣接する首相秘書官室の飯田祐二政務秘書官の机上の赤色ランプが灯る。首相在室中の「奥」には、官邸では飯田政務秘書官と谷滋行事務秘書官(警察庁から出向)の2人のみ出入りが許されている。

愛煙家の高市首相

いま永田町で何が起きているのか? 「政界の争点」を活写する週刊東洋経済のリレー連載。【金曜日更新】

では、高市氏の利用目的は何か。答えは喫煙である。永田町で知る者はほとんどいないが、実はヘビースモーカーで、今はJTの「メビウススーパースリム」を好む。

高市氏にとっての喫煙はストレス解消だけではなく、傍らに大阪名物の豚まん「551」があれば、「奥」でのわずか30分弱が唯一無二の「至福の時」というのである。

長期政権を誇った第2次安倍晋三内閣以降、健康問題を抱えていた安倍氏は疲れを覚えると「奥」のベッドで休養に努めた。岸田文雄氏も利用したが、独り沈思黙考することが多かったという。

喫煙の是非はおく。それにしても、首相の食事事情には驚く。朝食はバナナ2本と生ジュース1杯で昼食は抜くことが多い。赤坂議員宿舎時代の夕食は生協の宅配セットを常用した。最近は周囲の助言を受け、官邸で秘書官と一緒に昼食を取るようになった。夕食も簡素だ。公務でなければ夜の宴席も入れない。官邸食堂の豚肉しょうが焼きを持ち帰ることもある。

かくもストイックな食生活なのは、関節リウマチの持病があるからだ。それでも、尊敬してやまないマーガレット・サッチャー英元首相に倣ってオーソドックスエレガントに徹する高市氏は必ずハイヒールを履く。3.5㎝と5.5㎝を履き分ける。足の痛みは想像にかたくない。それゆえに、くだんの「奥」に入るやハイヒールを放り出してスリッパに履き替え、心地よく紫煙をくゆらす。

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