「居・職・住」の変革で、地方移住はもっと進む

移住者が語る、東京にない「余白」の魅力<下>

「このシェアオフィスにはいろんな業種・職種のメンバーがいますが、そのコラボレーションで面白いものも生まれています。2拠点とも、空間は建築家のメンバーと一緒に造りました。

このオフィスは別にオーナーがいて、当社で不動産会社と契約して集客・運営を行い、入居者にサブリースをするという、新しい不動産活用の事業モデルとしてやっているのですが、これが発展して、次は西日本鉄道さんと天神にシェアオフィスを作る計画も進んでいます。

そういったオフィスに集まってくるのは、東京はほとんどがクリエイターですが、糸島では猟師や料理人、バスの運転手など職種はさまざま。今宿はほとんどが移住者で、自然と共生しながらビジネスでも成功したいという人が多いですね。価値観が似たもの同士だと、コラボレーションも生まれやすい。1社だけでは生まれない可能性が作れると実感しています」。

移住者が感じる、福岡のデメリットは?

糸島の拠点に併設しているゲストハウス

須賀さんは現在、島根や茨城など、人口減の問題を抱える地域にも関わっているが、「場を作ることで力を結集していくというのは、どんな地域でも可能」と熱を込める。「島根でも、地元の人たちでシェアオフィスを作り、そこに地域のクリエイターが集まって、地元を元気にしていこうという活動が生まれています」。

糸島の拠点に併設したゲストハウスでは、イベントやワークショップ、自然共生型の合宿なども実施し、そこから新たな事業も生まれている。先日も100人規模の合宿を行ったばかりだ。「東京で仕事をしていたときには考えられなかった展開です。事業の発想も伸びやかになりました」。

移住者が感じる福岡のデメリットについても聞いてみた。

「話として聞くのは、東京にくらべて文化(カルチャー)の刺激が少ない、最先端の情報がない、グローバルな教育施設が少ない、といったようなところでしょうか。だた、私はそういったものも自分たちで創りだしていく時代になってきていると思っています。

刺激や情報はインターネットで得られるし、LCCが増えたので東京にも簡単に行くことができる。教育に対しても、面白い人たちが地域に入ってきているから、その力を生かして新しい教育を作ることもできるんじゃないかと。自分たちで創りだしていく、というマインドで地方に関わりつづけることが必要だと思っています」

そんな須賀さん自身の経験を生かして2012年に立ち上げたのが、『福岡移住サポート』(現在の『福岡移住計画』)というプロジェクト。実際、これまでに20組近くの移住をサポートした。昨年1年間、福岡市との連携で行った東京、大阪、福岡のイベントには、計600名が参加したという。

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