「仕事と家庭」両立しようと疲弊する人の根本原因 禅僧が解説「疲れや不安を手放す」生き方
「隣の芝生は青い」ということばがあるように、自分の育てた庭がどれだけ素晴らしくても、隣の芝生のほうが青々と見えてしまうものだ。第三者の目からすれば大差ないにもかかわらず、自分の目には他人のほうがよりよく映ってしまうわけである。
「盛れば盛るほど」悩みの種が増える
そのため禅では、「比較する」ことを強く戒めているのだという。ただし、それは決して簡単なことではない。そこで、価値観を変えてみるといいようだ。
仏教には「小欲知足」という言葉があります。欲を小さくして足る(満足する)ことを知りなさいという意味です。
しかし現代を生きる人々は「足るを知る」どころか、「まだ足りない、まだ足りない」と追われながら、じりじりと消耗しているのです。(69ページより)
だが小欲知足が許されない社会は、「ありのまま」の自分の価値が認められない社会であるともいえる。だからSNS上では、「盛る」のが当たり前になっているのだろう。「少しでもよく見えてほしい」と感じるからそうするわけだが、盛れば盛っただけ現実の自分との間にギャップが生じ、新たな悩みの種が増えることになる。
では、どうしたらいいのか。
この問いに対して著者は、比較をやめ、盛ることもやめ、自分以上でも自分以下でもない「ありのまま」の自分を生きることが大切だと説いている。そこで、1日10分でもいいので、「自分は、本当に生きたい人生を生きているのか」と自問自答する時間を持つべきだともいう。
その結果、「他の誰でもなく、自分の人生を生きている」と思えたのであれば、それだけで上出来だということだ。
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