「パーカー騒動」で吠える"令和おじさん"の正体 団塊ジュニアはなぜパーカーにこだわるのか?
日本の若者が当たり前のようにスウェットパーカーをファッションとして楽しむようになったのは、1980年代中盤から1990年代初頭にかけて流行したアメカジのムーブメント「渋カジ」の影響が大きい。
1985年のプラザ合意で円が強くなり、それまで高嶺の花だったインポートブランドは、急速に身近なものとなった。1980年代後半になると渋谷・原宿エリアにインポートショップが雨後の筍のようにオープンし、高校生でも買える価格帯で販売されるようになった。
筆者も1989年のポパイの特集で渋カジの存在を知り、明治通り沿いにあった「レッドウッド」というインポートショップで、アメリカ製のジップアップのスウェットパーカーを3800円で購入したのをつい昨日のことのように覚えている。
何が言いたいのかというと、スウェットパーカーをファッションとして楽しむようになった大きな流れを作ったのは、妹尾さんに全否定された現代のおじさん(団塊ジュニア世代)だったのである。
おじさんになり損ねた団塊ジュニア
付け加えるなら、現在50代前後のこの世代はおじさん、おばさんになり損ねた世代である。し前に1989年のバブルスターのCMの写真がXで上がっていて、当時アラフィフだった出演者の山城新伍さん、松方弘樹さん、梅宮辰夫さん、千葉真一さん、北大路欣也さんたちの貫禄に皆が驚いていたわけだが、さよう、昭和のおじさんのおじさんらしさに比べると令和のおじさんはおじさんらしさに著しく欠ける。
昨年、高校時代の同窓会が30年ぶりにあったのだが、出席した200人の同級生たちは思っていたほど変わっていなかった。昭和のおじさんの休日着といえば、ゴルフブランドのポロシャツにフレアのスラックス、ブランドロゴ入りのベルト、そしてローファーのできそこないみたいな"餃子靴"が定番で、若者ファッションとは明確な線引きがあった。
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