働く女性に勧めたい「控えめな贅沢」を味わう服 オンオフ使える「90年代ミニマリズム」の名品
1990年代の日本は世界の服飾史に記録されるべき〝ファッションの黄金期〟だった。109のギャルカルチャー、裏原宿のストリートカルチャー、シンプルで装飾を抑えたミニマリズム……など、さまざまな服飾文化が同時多発的に誕生した。
その中でも、90年代のミニマリズムが進化したクワイエット・ラグジュアリー(控えめな贅沢)というトレンドが近年注目を集めている。実は働く女性が取り入れやすいこの流行を、ファッションジャーナリストの増田海治郎が解説する。
「上質でミニマルな服」が人気に
2017年頃から、ストリートカルチャー(アメリカのヒップホップやスケートボード文化から生まれたもの)がメンズのランウェイに登場し、コロナ直前は男女ともにストリート一色となった。
そしてコロナ明けは、長い抑圧から解放された気分を後押しするかのような華やかな服が流行した。この6〜7年のトレンドは、ブランドロゴや派手な色柄を前面的に押し出したラグジュアリーが世界を支配していたと言っていいだろう。
そんな富をわかりやすく表現するラグジュアリーに対するカウンターカルチャーとして、浮上したのがクワイエット・ラグジュアリーというトレンドだ。それは、上質な素材と仕立ての服をミニマルに着こなすスタイルで、ぱっと見は控えめに見える。
色はグレー、黒、ネイビー、ベージュの無地が軸で、少しのモード感がにじみ出るような雰囲気。この言葉では説明しづらい〝少しのモード感〟が最大のポイントだ。
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