「モスチキン」クリスマスの"新定番"になれたワケ モスバーガーの「クリスマスの新定番」開発秘話

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ハンバーガーがメイン商品ということもあり、人気ランキングの上位は同ジャンルが名を連ね、中でもモスバーガーとテリヤキバーガーが2トップ。

寺本和男さん(商品本部 商品開発部 商品開発第二グループ 参事)は、店名でもあり代名詞でもあるモスバーガーについて、かつて創業者がアメリカ・ロサンゼルスで食べて感銘を受けたハンバーガーを日本風にアレンジしたものだと説明します。

Tommy’s
モスバーガーのきっかけとなったアメリカのハンバーガーショップ「Tommy’s」(出所:モスバーガー公式Webサイト)

「アメリカ流をベースとしつつも、日本国内向けにアレンジしたのがまず肉でした。現地では牛肉100%のパテですが、モスバーガーでは国内のハンバーグで多く使われていた合いびき肉としました。

また、ソースは豆の入ったチリコンカンだったところ、ミートソースにしており、ラーメンのようなガラスープを使うなど、工夫して開発しました」

日本の食文化を加味したメニュー開発とともにモスバーガーが注力しているのが「医食同源」。顧客の健康に配慮した取り組みを続けており、中でもこだわっているのが野菜です。

1990年代の後半から、当時はまだ一般的でなかった「トレーサビリティ」に目を向け、契約産地から仕入れることで安心安全な食事を提供しています。

開発では悪夢にうなされるほど「チキン」を食べまくった

モスバーガーが、今回のテーマであるモスチキンを発売したのは1992年。開発担当者だった寺本さんは当時を次のように振り返ります。

「開発を開始した1990年当時は、各社がフライドチキンに取り組み、メディアが『フライドチキン戦争』といった報道もしていました。

今でも人気の1社が一強状態だったのですが、中食需要の高まりやクリスマス商戦の生き残りを懸けて、各社が取り組み始めたタイミングでした」

当時のモスバーガーは、チキン系のサイドメニューといえばナゲットくらいしか用意がなく、子どもやファミリー層には人気な一方、もっと幅広い層を狙えるチキン商品を生み出す必要があったといいます。

また、「作りたて」をウリの一つにしている反面テイクアウト需要に応えきれておらず、時間がたってからでもおいしく食べられる商品を強化する必要もありました。こうした理由から、モスチキンの開発が始まります。

新商品を考案するうえで、毎日のように「チキン」と名の付くものを食べまくったと話す寺本さん。中でも特に研究したのが、某大手フライドチキンチェーンでした。

夢で鶏の大群に追いかけられるほど研究を重ねた結果「食べにくく、手が汚れる」「同じ商品でも入っている部位が異なるため、食べるピースによっては不公平感を持つこともある」といった点が、モスチキンが生まれるヒントとなりました。

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