幸運を育む「セレンディピティ感度」の上げ方 「無自覚な先入観」が成功を遠ざけてしまう訳
セレンディピティ・マインドセットのある人は、生まれつき他の人より運に恵まれているわけではない。さまざまな方法で運を育てているのだ。
世界のとらえ方が異なるというのも、その1つだ。
あなたには世界はどう見えるか
生化学者のルイ・パスツールは「幸運は備えある者のみに訪れる」と語ったとされる。あながち的外れではないだろう。
認知科学や経営学の研究では、予想外の事態に気づくか否かのカギを握るのは注意力、つまり「感度」であることが明らかになっている。
意識して探してはいなかった何かに気づき、その過程でそれまで見逃していた機会を認識できるかが問題なのだ。
たとえばチョコレートチップ・クッキーを発明したのは、ルース・グレーブス・ウェイクフィールドという主婦だ。当たり前のクッキーを焼くつもりが、手違いでチョコレートチップを入れてしまい、それが一大産業誕生のきっかけとなった。
観察力や注意力を高めると、世界の見え方、日々の経験ががらりと変わることもある。
世界をどう見て、どう理解するか。つまり、世界をどのような「枠組み(フレーム)」でとらえるかは、いくつもの点を見つけ、結びつける能力を決定づける重要な要素だ。
感度が低く、重要な意味を持つイレギュラーな出来事やアイデアに気づく心の準備ができていなければどうなるか。セレンディピティのチャンスを逃すだけではない。身のまわりの世界に対する認識そのものが、後ろ向きになっていく。
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