住宅ローンに影響…日銀はどこまで金利上げるか どうして日銀は金利を上げるかわかりやすく解説

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日銀は2%の物価安定の目標を掲げてきました。11月22日に総務省から10月の消費者物価指数が発表されましたが、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で2.3%の上昇となりました。2022年4月から31カ月連続で2%を上回っており、足元にかけては日銀が掲げる目標は達成しています。

私たちの生活では物価上昇は、嬉しいとも思えない部分も少なくありません。では、どうして日銀は2%の緩やかなインフレを目標とするのでしょうか。

これは、緩やかなインフレは景気にとってプラスに働くからです。例えば、マンションを購入しようと考えたとき、デフレ下で将来、マンション価格が値下がりする見込みならどうでしょう。人々のマンションの買い控えにつながります。逆にマンションの値上がりが期待される環境なら、マンション購入の意欲を持つ人が増えます。

マンション需要が増えれば、住宅業界が潤って景気に対してプラスに働きます。ですので日銀は景気を良くするために、デフレは防ぎたいと考えるのです。

日銀の物価目標はなぜ2%なのか

さらに、日銀の物価目標がなぜ2%と決めているか、については欧米各国の物価目標が2%であるため、それに合わせているということが最も大きい理由とされています。さらに、なぜ、欧米各国の物価目標が2%なのか、の理由は、さまざまありますが、1%の低い目標だと、物価上昇がマイナスのデフレに落ち込むリスクもあるため、過去の傾向から推計して2%とするのが妥当だろうとされています。

これまでの解説を整理して“日銀はどこまで利上げするのか”について考えてみましょう。

中立金利は①自然利子率+②物価上昇率です。自然利子率(潜在成長率)は-1%から+0.5%と推計されています。これに物価上昇率の2%を合せると、1%から2.5%が中立金利と見られます。

したがって、利上げは、このあたりの水準まで行われるというのが理論上で整合します。しかし実感として考えると、潜在成長率はゼロ%程度、足元の円安なども落ち着いてくると物価上昇率は1%程度になってくると見られます。そうなれば、実感としての中立金利から、利上げの終着点は1%程度になります。

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