住宅ローンに影響…日銀はどこまで金利上げるか どうして日銀は金利を上げるかわかりやすく解説

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例えば、そろそろ自動車を買い替えたいと考える人がいるとします。金利が上がってローンの負担が大きいと、値段の高い車の購入は控えがちです。

あるいは、まだ今の車も使えるし、買い替えはやめておこうと考えるかもしれません。モノを買いたいと考える人が減って需要が下がれば、今の値段ではモノが売れなくなるため、値段は下がっていきます。このように利上げすることは、インフレを抑える働きがあるのです。

日銀はどこまで利上げするのか?

ここまでの話を踏まえたうえで、今回のテーマ「どうして日銀は利上げするのか」「どこまで利上げするのか」について考えてみましょう。

為替相場では2024年4月に円安ドル高が進行して、1990年以来34年ぶりに1ドル=160円台を付けました。為替相場は変動が大きく11月末にかけて円高への修正も見られましたが、11月14日に1ドル=156円台を付けており歴史的な円安水準にあることには変わりません。円の価値が下がればどうなるでしょうか。輸入品を買う際に価値が下がった分だけ余計に円を支払う必要となります。円安による輸入品の値上がりが足元の物価高の大きな要因となっています。

この対応として利上げして金利が上がれば、お金を金利が相対的に高い国に預ける投資家が増えるため、円の保有が見直されます。円の需要が高まれば円高につながります。つまり利上げは円高を通じて足元の輸入物価高の影響を抑制します。

実際、日銀の植田総裁は7月の利上げ決定後の記者会見で、利上げ理由について「足元の円安が物価に上振れリスクを発生させている」と語りました。足元の円安リスクへの意識が日銀の利上げ理由の1つと見られます。

また、根本的な金融政策を行いやすくしたいということも理由にあります。将来、わが国が不景気になったときに利下げによる景気にアクセルを踏んでいく余力を作りたいということです。

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