日テレ「読売テレビなど基幹4局」を統合する思惑 準キー局を含む再編は、救済策か攻めの一手か

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統合のスキームは次のようなものとなる。札幌テレビ放送、中京テレビ放送、読売テレビ放送、そして福岡放送の4社が、2025年4月1日に共同株式移転方式で認定放送持ち株会社「読売中京FSホールディングス(FYCS)」を設立。4社はFYCSの完全子会社となる。

日本テレビHDはFYCSの筆頭株主として株式の20%以上を保有し、持ち分法適用会社とする。読売新聞グループも約15%の株式を持ち第2位の株主となる見通し。統合する4社の株主には、現在保有している株式に代わり、新会社の株式を交付する予定だという。

経営統合の狙いについて日本テレビHDは、「国内の人口減少やメディアが多様化する中、持ち株会社の下で経営基盤を安定させ、将来にわたり良質な情報や豊かな娯楽を安定的に視聴者に提供し、地域社会に貢献するという社会的責務を果たしていく決断をした」と説明している。

再編に向けて徐々に整った下地

放送局をめぐっては、同一企業による複数局の支配を防ぐ「マスメディア集中排除原則」が定められていた。

だが、地上波デジタル放送の開始など多額の設備投資を迫られ、資金調達に苦しむ地方テレビ局が多かったことから2008年に放送法が改正された。それにより集中排除原則を緩和して資金調達能力の高い認定放送持ち株会社制度が導入された。

これを受けてフジ・メディアHDが仙台放送や福島テレビなど地方局10社程度に出資したほか、TBSHDやテレビ東京HDも地方局に出資していた。ただこの段階では、認定放送持ち株会社が傘下に置ける放送局は12社まで。さらに33%の株式保有制限も設けられていた。

その後、総務省はこうした規制を段階的に撤廃。いわば下地が整ったことで日本テレビHDは、複数の地域にまたがって放送する準キー局を含む基幹4局を傘下に置くことができるようになったわけだ。

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