アメリカのドナルド・トランプ次期大統領は、中国からの輸入品に対する関税を大幅に引き上げると公言している。それが実行されたとき、中国経済にどのようなインパクトが及ぶのだろうか。
「中国製品への追加関税は実質20%程度上乗せされるだろう」。アメリカの投資銀行大手ゴールドマン・サックスで中国担当のチーフエコノミストを務める閃輝氏は、同社が11月20日に開催したマクロ経済分析のメディア向け説明会でそのような見方を示した。
消費財の追加関税率が焦点
トランプ氏は第1次政権時の2018年から2019年にかけて、中国製品に対する追加関税の範囲を4回にわたって拡大した。ゴールドマン・サックスの経済分析チームは、そのうち第1弾から第3弾までのリストに含まれていた中国製品が、第2次トランプ政権による大幅な関税引き上げの対象になると予想している。
閃氏の解説によれば、第1次トランプ政権の追加関税の第1弾と第2弾では、対象に消費財が含まれていなかった。それに対し、最後の第4弾の対象はほとんどが消費財であり、追加関税率は第1~3弾より低く抑えられた。
「アメリカ国民の間には、過去数年間の高いインフレ率に対する不満が根強くある。ゆえに(第2次トランプ政権は)非消費財に対しては60%の追加関税を課すが、消費財への追加関税率は5~10%にとどまり、過重平均で20%程度になると予想した」(閃氏)
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