グーグル「Gemini」がiPhoneアプリになった理由 スマホのプラットフォームを巡るAI戦略
グーグルは以前より、iPhoneの上で「Googleアプリ」を展開している。Androidで提供している検索やウェブ記事のキュレーションなどの機能が使えるのだが、実はこちらでも、Geminiやその前身であるBardが使えた。iPhone向けのGeminiアプリは、それら「iPhone向けのグーグル製アプリ」の1つでしかなく、提供は既定路線だ。
各スマホOSのうえでは、OSプラットフォーマーの提供する機能が強い。iPhoneならアップルの、Androidならグーグルの機能が一番多く使われる。
一方で、だからといって放置するわけにもいかない。アプリを提供し、そこを窓口にサービスを使ってもらうのは既定路線であり、今に始まったことではない。同時に、グーグルだけがやっていることでもなく、ヤフーにしろOpenAIにしろ、Perplexityにしろ、アプリ提供は普通に行われている。Geminiアプリも特別なものではなく、そんな「サービサーとしての当たり前のことをしたアプリ」にすぎない……というのが実情だろう。
「iPhoneからのAI連携」競争で先をいくOpenAI
ただ、アップルとグーグルの間には特別な関係があるのも事実だ。アップルのウェブブラウザーであるSafariでは、検索エンジンとしてグーグルを標準設定としている。そこには金銭授受を伴う契約が存在する。「スマホからの検索トラフィック」を考えたとき、AndroidだけでなくiPhoneでもグーグルが主力であるには、スマホにおいて大きなシェアを持つアップルとの関係が極めて重要なものであるのは間違いない。
そして今後は、生成AIをベースとした検索利用も大きな要素となってくる。
11月末現在は一般公開されていないものの、アップルは年内に、Apple Intelligenceに「ChatGPTとの連携機能」を実装する。
Apple Intelligenceは、基本的にはクラウドに依存せず、機器内で処理を行う。しかし、複雑な検索や問いかけなどについては、あえて自社サービスを使わず、ChatGPTへと質問を送って処理する仕組みを導入する。ChatGPTへ情報を送るときにはユーザーの許諾を求める形にし、プライバシーも確保する。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら