中小企業オーナーは最強のおいしい職業なのか? 自由が利く、支出は会社の経費といわれるけど…

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まず、額面の収入は、世間の会社員と大きく変わりません。年収のレンジは、下は400万円から上は2000万円というところです。生活支出のかなりの部分を会社負担にしており(厳密には脱税ですが)、実質的な収入は平均的な会社員より少し多いかもしれません。

ただし、収入が極めて不安定なのが、問題です。中小企業は経営体力がないので、リーマンショックやコロナといった大きな出来事でなくても、ちょっとした環境変化で業績が悪化し、収入が激減します。そのためフツウの社長は、あまり豊かさを実感できていません。

「現在年収は1500万円で、知人からは羨ましがられます。ただ、過去には実質ゼロということもありましたし、将来の保証は一切ないので、まったく気が休まりません。お金のことは常に気になって、日ごろの買い物でもついついケチってしまいます」(部品メーカー経営)

仕事に対して後ろ向き?

フツウの社長は、中小企業経営という仕事にやりがいや楽しさを感じているでしょうか。「たまにお客様から感謝の言葉をいただくと、経営者をしていてよかったと思います」(専門商社経営)という声もありましたが、否定的な意見が多く聞かれました。

「設計の仕事が好きで独立開業したので、最初は毎日がとても充実していました。しかし、受注の確保と従業員のマネジメントに疲弊するようになり、近年は仕事をしていて面白いとは感じません」(設計事務所経営)

「仕方なく親から後を継いだだけで、仕事をして充実感を感じたことはありません。そもそも人と接するのが苦手で、従業員の不満やお客様のクレームを聞くというのは、今でも苦痛です」(ホテル経営)

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