中小企業オーナーは最強のおいしい職業なのか? 自由が利く、支出は会社の経費といわれるけど…

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「社員には『お客さんと会う』と、家族には『週5日会社に通っている』と伝えています。まあ、社員も家族も薄々気づいているでしょうが(笑)」。

持田さんの年収は、約4000万円。上場企業の取締役と同程度です。ただ、車・家賃・外食・旅行などほとんどの支出が会社負担なので、収入の大半が手元に残ります。

「会社員時代もそこそこ高収入でしたが、貰った給料の中から支出するので、あまり財産は増えませんでした。財産形成したいなら、断然中小企業経営者です」。

現在の仕事や生活に対する満足度を持田さんに尋ねました。

「仕事を楽しんでいますし、私生活も充実しているし、経済的にも問題ないし。これで『不満がある』と言ったら、罰が当たりますよ(笑)」。

愚問でした……。

ダメダメ社長は廃業したくてもできず…

一方、対照的な③ダメダメ社長のケースではーー。

下野竜也さん(仮名)は、父親が創業した食品小売店を約20年前から経営しています。最盛期には4店舗を展開していましたが、大手チェーン店との競合などから業績は下り坂で、不採算店舗を順次店じまいした結果、現在は1店舗を残すのみです。

その1店舗も赤字基調で、仕入先や銀行への支払日のたびに資金繰りに奔走する自転車操業です。パートに払う人件費がもったいないので、下野さん夫婦が週6日早朝から深夜まで働いていますが、改善の見込みはありません。

下野さん夫妻の収入は年々減っており、最近は実質ただ働きという月もあります。貯金を取り崩して生活費に充てることが増えてきて、数年前から奥様と「倒産する前に廃業しようか」と話し合っています。

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