斎藤氏への世論「批判から熱狂」に変わった"本質" 斎藤知事「告発→失職→復活」までの経緯(下)
とすれば、仮にそのような行為があったならば、斎藤知事の「徹底的に調査しろ」との指示に従って元局長の公用パソコンを押収した片山副知事、およびそのファイルを保存している兵庫県には、刑事訴訟法第239条第2項に基づく告発義務が生じるはずだ。
だが公用パソコンのみならず、元局長から私物のUSBまで有無を言わさず押収し、一週間後に迫った退職を慌ただしく取り消して、元局長を降格させたにもかかわらず、そういう動きは皆無だった。
プライバシーを間違った内容で暴露
また立花氏は「元局長は10年間に10人と不倫していた」とも主張した。政見放送では、「この県民局長、百条委員会で調べたところ、不倫していたんですよ、不倫。しかも10年以上もやっていた。しかもなんと、1人や2人じゃないんですよ。複数人の女性と、しかも県庁の女性職員と不倫していました。不倫ですよ。10人ですよ、10年間ですよ」とまくしたてた。だがこの「10人」が根拠のないものであることを、後に立花氏は告白している。
「政見放送で“10年”と言うべきところを“10人”と(口が)ひっかかって、そのまま10人と言っちゃったみたい」
投票日前々日の夜、演説を終えてファンに囲まれ、求められるままにサインしていた時、立花氏は聴衆の1人から「10年で10人と不倫」の根拠について尋ねられ、このように答えている。そして自分で納得したように、「まあええわ。あまり変わらんわ」と呟いた。
まったくひどい人権侵害だが、他にもある。立花氏は11月3日、百条委員会の奥谷謙一委員長の自宅兼事務所に押しかけ、「(元局長には)不同意性交等罪、5年以上の懲役がある犯罪があって、それを隠そうとしているんじゃないですか、奥谷さん」とマイクを使ってがなり立てた。
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